市原も梅雨らしい空模様となり、窓の外では、雨に濡れた紫陽花が色を深めています。
先日、成年後見制度を見直す民法改正のニュースを目にしました。
成年後見制度は、認知症や障害などにより判断能力が十分でない方を、法律面や生活面から支えるための制度です。
私も行政書士になって間もない頃、成年後見について学ぶ講習を受けたことがあります。当時、「これからの高齢化社会では、こうした支援がますます必要になる」と聞いたことが、今も印象に残っています。
必要とされる一方で、利用しにくさも
高齢化が進む中、成年後見制度を必要とする方は、今後も増えていくと考えられます。
一方で、現在の制度には、一度利用を始めると原則として途中で終了しにくいことや、本人が必要とする以上に権限が制限される場合があることなど、利用しにくい面も指摘されてきました。
また、成年後見を支えているのは、行政書士だけではありません。
弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職、ご家族、自治体や福祉関係者など、多くの人が関わっています。
法律だけでなく、福祉や生活にも深く関係する制度です。
今回の改正で変わること
今回の改正では、これまでの「後見・保佐・補助」という区分を見直し、本人に必要な範囲だけ支援を行う仕組みへと変わる予定です。
主なポイントは、次のとおりです。
- 本人に必要な支援内容に応じて、権限を個別に定める
- 支援が必要なくなった場合には、制度を終了できるようにする
- 本人の意思や自己決定を、これまで以上に尊重する
これまでのように大きな区分に当てはめるのではなく、一人ひとりに合わせた、より柔軟な制度を目指すものといえます。
また、パソコンなどで作成した遺言を法務局で保管する、新しい遺言制度も設けられる予定です。
より身近で、使いやすい制度に
制度が実際に施行されるのは少し先ですが、利用する方にとって分かりやすく、必要なときに必要な分だけ支援を受けられる制度になることが期待されます。
成年後見制度は、誰にとっても無関係とは言い切れない制度です。
本人の意思を大切にしながら、安心して利用できる仕組みへ変わっていくことを期待したいと思います。
ちなみに、行政書士の成年後見団体には「コスモス」という名前の組織があります。
秋桜の季節にはまだ少し早いですが、梅雨の紫陽花を眺めながら、昔受けた講習のことを思い出しました。

